2023/08/20 19:36
阿波小麦の話し。
徳島県阿波市土成町の農家さんたちが、
農薬も化学肥料も使わずに小麦を栽培してくれることになった経緯を、
以前TwitterにUPしていました。
そのまま流れていってしまうのも惜しいので、文章はすこし手直ししたり、
注釈を入れたりしつつ、こちらに記しておきますね。
2021.9.8
いつも花束(ブロッコリー)をくれる農家のおじさんから「農地の活用に苦慮していましたが小麦の栽培を考えています。ご指導ください」というラブレターを頂戴し、即はせ参じたところ「年も重ねて、子どもも巣立ったので、次世代に継いでいけることをやりたい。一緒に考えてくれませんか」と。
「農薬や除草剤を使わず、土地を大切にしながら育てるなら一緒にやらせてもらいたいです」と答えると「実は、昔は小麦も大麦もビール麦も栽培してて、そんなもの使わなくても麦は育てられます。ちゃんとした小麦を作って、うどんやピザやパンやお菓子を作りましょう」と言ってくださった。泣いた。
(当時は山に拠点を構えていた小麦屋chantchant)
去年、試しに小麦の種を蒔いてみたけれど、みんな生きものに食べられてしまった。
「山では育てるのが大変なので、里で畑を借りられるところありませんかねえ」という相談や、冗談で「小麦栽培してくださいよ」という話しはしてきたのだけれど、突然ご本人が「小麦育てます」と言ってくださって・・
お話を聞いてみると、さてこれからどうしましょうという話しではなくて、この地域で小麦栽培を続けてくれている(わたしもめちゃお世話になってる)方から農業指導をしてもらう話しもついていて、一緒に動いてくれる仲間とも話しをしていて、あとはもう身体を動かす段階だった。
311をきっかけに東京をあとにした店主は、子どもと安全に暮らせて、安心して食べられる土地を探し求めて、宮崎県での暮らしを経由して、2012年に徳島に移住してきた。
この地に来てからずっと願ってる。地元の人に小麦を育ててもらって、その小麦で学校給食のパンを焼くこと。いろいろ活動もしたけど、その時は大きく実ることはなかった。だけど、蒔いた種はちょっとずつ育ってる。
もしこの話が、今日だけで立ち消えになったとしても、ものすごく元気をもらったよ。
以前、立ち上げた小麦のプロジェクトは、わたしが職を辞して、その後先細りになってしまっている。
わたしはわたしで、自分でできる範囲のひとり小麦プロジェクトをつづけてきたけど、すこしずつひろがるとよいな。
ひろがれー!
この豊かな場所。野菜も果物も穀類も何でも栽培できるこの地で、唯一ないのが小麦だった。
小麦さえ育てれば、あとは行政とうまく連携できる仕組みさえ作ることができれば、学校給食をすべて地元産に切り替えることは可能だ。
2021.11.17
「はるさん、明日小麦の種を蒔きます」
花束(ブロッコリー)の農家のおじさんから突然、メール来た!
季節的に、そろそろだとは思っていたけども、突然。笑
言われた時間に着いたら、もうみなさんで種を蒔いている!!!
「除草剤も農薬も使わないには、どう栽培するのがいいか考えて、こうしたよ。小麦農家さんからは、ばらまきで除草剤を使ったら簡単と指導されたけど、はるさんと約束したから、絶対除草剤も使わない」
ニコニコ言いながら、そう言ってくれる。
わたしがついたときには既に、おじさんの仲間の地元のひとが大勢、畑で作業をしていた。
小麦を蒔いてくれるだけでうれしいのに、除草剤を撒かないとこころに決めて、畝を立てて、条蒔きにしてくれていた。
手で小麦の粒を大地に降ろして、土をかけていく。
約半反の小麦畑。
「小麦を植えるって話したら、うちにも植えたらいいよって言ってくれる人がたくさんいる。
でも、まずはちいさくやってみよう。うまく行ったら広げればいい。
まずは、無農薬でやって収穫する。
うどんを打って、はるさんがお菓子を作って、できるってわかったら、広げるのはみんなでいつでもできる」涙